TOBを発表した銘柄の値動きを実際のチャートや板を見ながら解説していきます。
TOB発表後の値動き
TOB発表後の値動きを、実際に行われた時の内容を挙げて解説していきます。
また、TOBには様々なケースがあるので、今回取り上げるのは、以下のようなケースでの値動きになります。
~今回参考にする事例~
ソニーフィナンシャルホールディングス株式会社(8729)
2020年5月19日にTOBを発表(友好的TOB)
ソニーの完全子会社化・上場廃止を予定
全株式を取得予定
TOB公開買付価格:2600円
それでは今回の実際の値動きを見ていきます。
まず、TOB価格にサヤ寄せされます。
TOB価格2600円に一気に上昇している事がわかります。
その後、少し下がったり上がったりを繰り返します。
板と歩み値を見ていれば、どこの価格で跳ね返るか分かりやすいです。
上図の板では、2595の買い板が厚く見えますが、枚数の変化を見ていると、買い板の枚数がどんどん減っていき、売り板の枚数はほぼ変わらない状態なので、下に行くことが分かります。
ちなみにTOB発表直後に、TOB価格2600円にサヤ寄せされた後の最初の下降では、2600から2592まで下がっていきました。
逆に2592時点では、買い板の枚数があまり変わらずor増えていくのに反して、売り板がはけていったので、このような状態になる価格で跳ね返る事がわかります。
また、TOB銘柄の株価も日経平均につられる傾向にあります。
日経平均につられて、なぜかTOB価格以上に上がる事もあるのです。
ちなみに、もしTOBが失敗すると、この株価は急落する事になりますが、友好的TOBであれば、まず失敗する事はありません。
敵対的TOBの場合は、このような分かりやすい値動きとはならず、さらにTOBが失敗するケースも多いため注意が必要です。
今回のケースでは「全株式を取得予定・完全子会社化・上場廃止を予定」となっていますが、株式の部分買付けの場合もあります。
部分買付けの場合、応募が多いと買付は抽選となるため確実にTOB価格で取引できる訳ではないです。そのため株価はTOB価格に近づきますが、その下あたりで推移する事が多いです。
コメント